国民健康保険をめぐる一件のように、民主党は国家の手による社会政策を推し進め、社会全体の福祉をはかろうとする傾向をもっている。反対に共和党は、アメリカを自由で開放的な社会として保持し、すべての人に活躍の機会を保証することこそが、自分たちの至上命令だと信じている。
これをもって民主党は進歩的であり、共和党は自由主義的だなどということは一概にはいえないが、第一次世界大戦時代の大統領ウッドロー・ウィルソン(民主党)は、民主党と共和党の違いを次のように説明したことがあった。
民主党と共和党の主な相違点というのは、保守反動派の人間が共和党のなかでぱ大多数を占めるのにたいして、民主党のなかでは少数派だということにある。これはどの政党にも程度の差こそあれ「保守反動派」がいるということなのであろうが、たしかにウィルソンの指摘するように、より前向きに政治や社会の現状を変革していこうという声は、共和党よりも民主党のなかに大きい。
たとえば、二〇世紀に入ってからの民主党出身の大統領を順番に並べてみただけでも、その変革寄りの傾向が浮かびあがってく ウッドロー・ウィルソン、フランクリン・ルーズペルト、ハリー・トルーマン、ジョン・ F・ケネディ、リンドン・ジョンソン、ジミー・カーター、ウィリアムークリントン。
太平洋のこちら側でアメリカを眺めている日本の私たちは、どうしてもアメリカの大統領の外交政策だけに目が行きがちであり、アメリカの国内政策のことはついつい忘れてしまう。しかしアメリカの大統領にとっては、外交問題はあくまでも二次的な問題に過ぎない。
彼らは、トロトロとした国内の政治上のかけひきや闘争のなかから生まれてきた政治家なのであり、国内の政策を無視してはその存在があぶなくなる。大統領が政治生命をかけて全力投球するのは、やはり内政問題、つまり国内向けの政策なのである。
ここにあげた民主党の大統領たちの国内政策を眺めわたしてみても、いかにも民主党らしい政策が目につく。たとえばウッドロー・ウィルソンの政策の中心は、アメリカの巨大な企業の活動を抑え込み、さまざまな規制を強化することによって、一般のアメリカ人の権利を保護するところにあった。そこで、鉄道事業の規制強化などさまざまな法律がつくられ、企業を監視するための対策が講じられた。
2012年8月1日水曜日
2012年6月8日金曜日
大豆油市場を襲う需要減の渦
食用油の主力品種、大豆油の価格が急落した。メーカーが在庫一掃のため大幅に値下げした。そこに見えたのは、減産しても需要減少の渦にどんどん飲み込まれ、次々と値下げを迫られるメーカーの姿だった。
レストランや総菜店といった中・小口需要家は斗缶品(1缶は16.5キログラム)を買う。3月末は月初から1割下落し、元卸価格で1缶あたり3300円が中心。昨年11月に約3年ぶりに下落に転じ、その後下げ足を強めた。マーガリンメーカーなど大口需要家向けのローリー品も1―3月分が昨年10―12月比で約3割安い1キログラム160円が中心となった。
「外食店は売り上げ不振の中でコスト削減を強く意識し、油をぎりぎりまで使っている」。流通業者が説明する。あるメーカーは顧客から「揚げ物に最大で何回まで使えるのか」などとの問い合わせが増えたという。
需要は急減し、メーカーは在庫をためこんだ。農林水産省によるとメーカー全体の在庫量は昨年12月、1月、2月とも前年同月比5割増の多さだった。
メーカー全体で1月の搾油量を前年同月比1割強落としたのに、2月の在庫が高い水準だったことは需要不足の深刻さをはっきり示した。戦後最悪の景気後退とわかっていても、この数字には誰もが目をむいた。
問題はこの価格下落の構図が続くかどうかだ。4月、5月は、行楽シーズンを迎え食用油の需要が1年でもっとも高まる。この時期の販売量や価格がメーカーの1年の業績を占うとも言える。
値下がりは需要家や消費者に恩恵をもたらす面がある。一方、メーカーにとっては、仮に春需が消えて需給が緩む流れが続くようだと、大豆油価格が一段と値下がりし、需要減と価格下落のダブルパンチとなる可能性が高い。
レストランや総菜店といった中・小口需要家は斗缶品(1缶は16.5キログラム)を買う。3月末は月初から1割下落し、元卸価格で1缶あたり3300円が中心。昨年11月に約3年ぶりに下落に転じ、その後下げ足を強めた。マーガリンメーカーなど大口需要家向けのローリー品も1―3月分が昨年10―12月比で約3割安い1キログラム160円が中心となった。
「外食店は売り上げ不振の中でコスト削減を強く意識し、油をぎりぎりまで使っている」。流通業者が説明する。あるメーカーは顧客から「揚げ物に最大で何回まで使えるのか」などとの問い合わせが増えたという。
需要は急減し、メーカーは在庫をためこんだ。農林水産省によるとメーカー全体の在庫量は昨年12月、1月、2月とも前年同月比5割増の多さだった。
メーカー全体で1月の搾油量を前年同月比1割強落としたのに、2月の在庫が高い水準だったことは需要不足の深刻さをはっきり示した。戦後最悪の景気後退とわかっていても、この数字には誰もが目をむいた。
問題はこの価格下落の構図が続くかどうかだ。4月、5月は、行楽シーズンを迎え食用油の需要が1年でもっとも高まる。この時期の販売量や価格がメーカーの1年の業績を占うとも言える。
値下がりは需要家や消費者に恩恵をもたらす面がある。一方、メーカーにとっては、仮に春需が消えて需給が緩む流れが続くようだと、大豆油価格が一段と値下がりし、需要減と価格下落のダブルパンチとなる可能性が高い。
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