2015年2月7日土曜日

竹島問題

竹島の領有権問題も、日韓関係に荒波を引き起こした。竹島については六五年の日韓基本条約によって両国関係が正常化された際にも、問題は先送りされていた。

韓国は五四年から竹島に警備隊を常駐させ、施設を作って実効支配を続けた。日本政府は毎年、抗議の口上書を送っているが、韓国政府はこれを無視して、島の周辺海域で日本漁船の拿捕や日本巡視船の退去警告を出す事例が続き、日本による国際司法裁判所への提訴も、韓国側に拒まれたまま実現に至っていない。

国連海洋法条約の批准にともなって、九六年二月に日本側が竹島周辺海域に経済水域を設定する動きが表面化すると、韓国側は「竹島はわが国固有の領土だ」と主張、領有権を明確にするため防波堤を建設する計画を打ち出した。

それだけではない。当時の池田外相の「竹島は日本の領土」という発言をきっかけに、金泳三大統領が山崎拓自民党政調会長を団長とする与党訪韓団との会談を拒否、これに歩調を合わせて、与野党が対日非難の声をあげ、市民団体の抗議デモが続いた。さらに、竹島の警備の強化や軍事訓練の予定が公表され、韓国内は騒然となった。

韓国政府の強硬姿勢には、同年四月の総選挙に向けて反日世論に配慮した面もあったが、韓国が竹島に防波堤を作る計画を座視するわけにはいかないと、二月十日の自民党総務会は、「韓国は李承晩ライン復活のため竹島を占領している。北方領土問題ではロシアに厳しく対応しているが、竹島問題でも強く抗議してほしい」との声が相次ぐなど、日本側からも強い反発が出た。