2012年4月24日火曜日

濃厚で甘い地元大豆できな粉のクッキー。

神奈川県立相原高校(相模原市橋本)の生徒たちが考案した地元特産の津久井在来大豆を使った「きな粉のクッキー」を、食料品・飲料製造メーカー「宮坂醸造」(東京都中野区)が商品開発した。パッケージの考案を含めて生徒たちのアイデアがそっくり商品化に生かされて市販されるのは食品業界では異例という。

商品開発したのは農業クラブ食品化学班=班長・宮崎茜さん(16)ら6人=のメンバー。味が濃厚で甘みの強さが特徴の津久井在来大豆を使い、近くの同市立橋本小と連携した食育活動に取り組む。卒業生は豆腐作りで出るおからを利用して「ふりかけ風おからつくだ煮」を考案したことも。

宮崎さんらは部活顧問の田中茂樹教諭らの指導で、きな粉の利用の研究を重ねクッキーにたどり着いた。バターを60%加えて小麦粉ときな粉、豆乳を混ぜた無添加食品。「カムアップクッキー」の商品名や6人の写真入りパッケージは、情報処理科3年の村上紗希さん(18)ら2人が考案した。

清酒「真澄」や「神州一味噌」などのブランドで知られる宮坂醸造は、津久井在来大豆を一部のみそに使っているのがきっかけで高校生のクッキー作りを知った。黄な粉が子供の成長に欠かせないたんぱく質やカルシウムを多く含むことや、クッキーの風味の良さに着目。生徒のアイデアをそのまま採用した。

同社製造・販売のクッキーは、1円玉ほどの大きさで厚さ約1センチ。販売価格は1袋40グラム入り(18個)180円の予定。津久井在来大豆の生産量が少なく、同社は確保してある約100キロを使って製造するという。

生徒の試作品を有名メーカーが製造販売するのは同校でも初めて。来月2日、大豆の生産者や企業などが参加する同校での試食会でお披露目されるほか、9日午前9時から同校正門でのチャレンジショップで生徒たちが販売する。宮崎さんは「伝統食材を使った食育活動が商品化につながった」と喜んでいる。

2012年4月18日水曜日

母が袋に遺した赤ちゃんコアラ、2gの命尽く。

大阪市天王寺動物園で死んだ雌のコアラ・スピカの腹部の袋から見つかった生後1か月足らずの赤ちゃん(2グラム、体長4センチ)が、死んでいたことがわかった。園によると、8日朝、死んだスピカの袋から赤ちゃんを取り出し、保育器での人工飼育を試みていた。コアラ用のミルクを与えていたが、次第に吸う力が弱くなり、9日未明、獣医師が死んだのを確認したという。衰弱死とみられる。同園は「なんとか命をつなげようと、園を挙げて取り組もうとしていただけに非常に残念」としている。

2012年4月17日火曜日

通信講座「登録抹消費」1億詐取、9人逮捕。

通信教育講座の登録取り消し名目で多額の金をだまし取ったとして、宮城県警は29日、仙台市太白区富沢、無職伊藤雅基容疑者(38)ら男女9人を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。

県警は、被害者が千葉県、埼玉県、大阪府、福岡県、鹿児島県など全国に約250人おり、被害額は約1億3500万円に上るとみて調べている。

発表によると、伊藤容疑者らは2007年7月~09年1月、架空の業界団体を名乗り、通信教育講座を受講したことがある三重県内の女性(34)ら6人に「契約が継続されており、登録抹消には金がかかる」などと電話でうそをつき、1人あたり10万~50万円、計約190万円をだまし取った疑い。7人は容疑を認めているが、2人は一部否認している。

伊藤容疑者らは仙台市内の教材販売会社に勤務していた。県警は、市内の拠点から通信教育の受講経験者数万人分の名簿を押収。名簿がヤミで出回っているとみて、入手先を調べている。

2012年4月12日木曜日

北朝鮮核めぐり首相が核武装論に言及

麻生首相が6月28日に東京で行われた日韓首脳会談の際、「北朝鮮核問題が深刻化すれば、国内で核武装すべきだという声が強まる」と述べていたことがわかった。複数の日韓関係筋が明らかにした。北朝鮮の核問題で、カギを握る中国の取り組みを促す説得材料の一例として取り上げたという。

麻生首相と李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領のほか、同席者を両国外相ら少人数に限った会合の席での発言。議題を北朝鮮問題に絞り、内容は公表しないことを双方が申し合わせていた。

両首脳は、中国が国連安全保障理事会の制裁決議の履行などに真剣に取り組まない場合、日韓両国が北朝鮮に対抗して防衛力を強化せざるをえなくなるというメッセージを中国側に伝える必要があるという考えをそれぞれ表明。麻生首相はその中で、日本で核武装論が高まる可能性に言及したという。

北朝鮮による5月の核実験後、キッシンジャー元米国務長官が日韓両国の核武装の可能性を指摘して、中国に北朝鮮問題に真剣に取り組むよう促した。麻生氏の発言はこうした意見を念頭に置いたものと見られる。政府関係者は「日本が核武装に向かうという言い方ではなかった」と説明する。韓国側からも強い異論は出なかった模様だ。

ただ、北朝鮮の核実験後、日韓両国内の核武装論を中国が警戒しているとされる。ゲーツ米国防長官も5月の日米韓防衛相会談で、日韓両国への「核の傘」の強化に言及。日韓で核武装論が浮上しないように手を打ってきた。国内の核武装論を利用するかのような発言は首相としては不適切との批判も出そうだ。

麻生首相は外相時代の06年10月、衆院外務委員会で核武装論をめぐり「隣の国が(核兵器を)持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくのは大事だ」と発言し、4野党から罷免を求められたことがある。

2012年4月9日月曜日

低迷続く合板市場・大幅減産の効果薄く

合板価格の低迷が続いている。大手メーカーが打ち出した値上げ要請も不発に終わり、卸値は過去最低水準にある。戸建て住宅の着工件数の減少を背景に需要がふるわず、国内メーカーの大減産による供給削減も思うような効果を上げられていない。

国産針葉樹合板は昨年末に大幅に値下がりした後、2月初旬までは横ばいで推移していたが、2月中旬以降再びじりじりと下げ始めている。

「メーカーは本気で値上げする気があるのか」――。合板流通関係者はため息をつく。市況の立て直しを狙い、最大手メーカーは1月中旬ごろから値上げを表明しているが、市場への転嫁はいっこうに進んでいない。

メーカーも毎月のように値上げを打ち出す一方、売り上げ確保の安値出荷をいまだに止め切れていない。月末になると必ず「打ち出し価格を大幅に下回る安値品が市場に出回る」(商社)という。需要家はメーカーの一貫しない販売姿勢に冷ややかな目を向けている。

合板需要を支える木造住宅の着工戸数は、08年10月以降低迷が続く。1月は前年同月比で20.3%減の3万3000戸となり、07年8月以来17カ月ぶりの低水準となった。

派遣社員が大量に解雇され、正社員もリストラや賃下げが現実味を帯びている状況では、「人々が将来の見通しを描けず、なかなか住宅を買おうという意欲が起きないのが現状」(資材加工メーカー)という。

メーカーは過去最大規模の減産で供給削減をすすめているものの、現状は「2―3週間出荷停止しても供給不足にはならない」(大手問屋)との声もある。需要減下で値上げを押し通すには、設備休止なども視野に入れた、より大胆な生産調整が必要だとの声も上がっている。