2016年3月7日月曜日

企業コンプライアンスの重要性

実際のところ、証拠をどしどし出させることには相当な抵抗かおりますから、これを自発的にやってくれるのを待っていたら、何十年、何百年かかるか分かりません。例えば医療ミスについては、「皆それなりに失敗を重ねるものだから、それに目くじらを立てていたら若い医師は育だない。

だから多少のミスには甘いこともあるかもしれない」と認めていた医師がいました。それで患者が死亡したとしても、とにかく医師の将来のため、病院の将来のために真相がうやむやになってしまうとしたら、本末転倒もいいところです。

そこはもっと透明性の高い場で、何か原因でミスが生じたのかを明らかにすべきでしょう。建築業界だとか、環境問題に直結する産業廃棄物処理の現場、あるいは行政の現場などにも同じことが言えます。それなりに対応を怠らず、事前の防止策もちゃんとしておけば、めったに訴訟になることはありません。

それでもトラブルが起きたときは、どこに問題点があったのかを明らかにするために、透明性の高い裁判で正すべきところを正す必要があるのです。結局、訴訟手続を使いやすくするからといって、誰もがすぐに「もめごと」に巻き込まれるわけではありません。どうにも許せない事件が起きたような異常事態において、責任をとるべき人のみが裁かれる対象となる、それだけのことにすぎないのです。