2012年4月9日月曜日

低迷続く合板市場・大幅減産の効果薄く

合板価格の低迷が続いている。大手メーカーが打ち出した値上げ要請も不発に終わり、卸値は過去最低水準にある。戸建て住宅の着工件数の減少を背景に需要がふるわず、国内メーカーの大減産による供給削減も思うような効果を上げられていない。

国産針葉樹合板は昨年末に大幅に値下がりした後、2月初旬までは横ばいで推移していたが、2月中旬以降再びじりじりと下げ始めている。

「メーカーは本気で値上げする気があるのか」――。合板流通関係者はため息をつく。市況の立て直しを狙い、最大手メーカーは1月中旬ごろから値上げを表明しているが、市場への転嫁はいっこうに進んでいない。

メーカーも毎月のように値上げを打ち出す一方、売り上げ確保の安値出荷をいまだに止め切れていない。月末になると必ず「打ち出し価格を大幅に下回る安値品が市場に出回る」(商社)という。需要家はメーカーの一貫しない販売姿勢に冷ややかな目を向けている。

合板需要を支える木造住宅の着工戸数は、08年10月以降低迷が続く。1月は前年同月比で20.3%減の3万3000戸となり、07年8月以来17カ月ぶりの低水準となった。

派遣社員が大量に解雇され、正社員もリストラや賃下げが現実味を帯びている状況では、「人々が将来の見通しを描けず、なかなか住宅を買おうという意欲が起きないのが現状」(資材加工メーカー)という。

メーカーは過去最大規模の減産で供給削減をすすめているものの、現状は「2―3週間出荷停止しても供給不足にはならない」(大手問屋)との声もある。需要減下で値上げを押し通すには、設備休止なども視野に入れた、より大胆な生産調整が必要だとの声も上がっている。